土地活用コラム
自主管理における賃貸管理の落とし穴
管理会社に委託せず、オーナー自身が管理して不動産賃貸をさてれいる場合、賃料の入金状況もオーナー自身がされているのが通常です。
そこで、今回はオーナー自身による賃貸管理の落とし穴について紹介します。
1.賃料支払方法は?
①銀行振込がベスト!
賃料の支払方法は、銀行振込とするのがベストです。なぜなら通帳に振込者と入金日、入金額が
残るからです。
さらに、通帳の横に、何月分の家賃なのかをメモ書きしておくと効果的です。
②銀行振込の落とし穴
オーナーとテナントの居住地が離れてお、振込がなければ入金がないと言い切れる場合は問題あ
りません。
問題があるのは、振込があったり、現金で持参払いするときがあるなど、まちまちな場合です。
家賃を、いつ、いくら支払ったのかは、裁判になると、テナント側が証明する義務があります。しかし、テナント側が正確には分からないが、現金で払ったことが何回もあると主張し、それが事実とういうことになると、今後はオーナー側が、いつ、いくら受け取ったのかを明らかにする必要があります。オーナー側が、受取日や受取金額について正確な資料を残していないと、この部分は滞納賃貸として認められていない可能性が出てきます。
③現金払いから銀行振込への変更をできるか?
それなら、今まで現金払いとなっているのを、オーナー側から銀行振込に変更してくださいと申し出た場合、テナントが承諾しなければ強制的に変更することはできません。あるいは銀行振込にするにしても、振込手数料を引いてくれと言われることもあるでしょう。
いずれにしても、支払方法の変更については、テナント側の承諾がない限りできないと考えてください。
2.現金受領時の注意点
数十年も前から居住している場合やオーナーが近所に住んでいる場合は、テナントが現金でオーナーに持参して支払うというケースも見受けられます。
この場合、市販の家賃通帳で管理委されている場合もありますが、家賃通帳は普段はテナントが所持し、家賃支払時に通帳を持参して、オーナーが通帳に領収印を押してテナントに返却することを想定したものです。ですので、オーナーが別の手段で、持参日と持参額を記録していないと、テナントが家賃通帳を紛失した場合、入金状況がまったく分からないという状態になってしまいます。
そうしたことから、現金払いのときのアドバイスとしては、
①複写式領収書で、領収書を発行する
日付や金額は絶対に空欄にせず何年何月分の家賃として受け取ったのかは、ただし書きで必ず書くようにします。
また、オーナーの控えが残るように、複写式領収書で発行することを強くオススメします。
②滞納家賃の充当方法は、古い分から埋めてゆく
例えば、テナントが平成29年5月分と6月分を滞納している状態で、平成29年6月に1か月分だけ持参した場合、これは滞納している平成29年5月分の家賃として受け取り、領収書のただし書にもそのように明記してください。
6月に持参したから平成29年6月分の家賃として受領したことにすると、時効の関係で不利になります。
③家賃の一部しか持参しなかった場合
この場合、②とも関係しますが、一番古い滞納月の一部とただし書に明記して領収書を発行してください。
その場合、一部払いした該当月の家賃として、残りがいくらあるかも明記しておくとなお効果的です。
②の例でいえば、「平成29年5月分家賃の一部として(5月分残00,000円)」などです。
賃料の請求をできるのは5年分です。例えば、平成24年5月分の家賃を請求する権利は、平成29年5月1日(前月末までに翌月分家賃を支払う契約の場合)以降に消滅してしまいます。
今はエクセルなどの表計算ソフトを利用すれば、入金状況は簡単に管理できます。
しかし、滞納がある場合には催促する必要があり、その他自主管理する上でテナントとの間で様々な対応が必要になるなど、自主管理には煩わしいリスクがあることを理解しておく必要があります。
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